ツシマヤマネコの明日のために
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NPO法人ツシマヤマネコを守る会は、絶滅の危機に瀕するツシマヤマネコ(国内希少野生動植物種、絶滅危惧IA類)を守るために設立された民間団体です。

海の向こうに釜山が

おう、今日はよう見えとるなー。
此処は国境の島、対馬。視界の良い日は50キロ先に隣の国、韓国の町並みも見えます。対馬は南北82㎞、東西18㎞の細長い島で、面積は佐渡、奄美大島に次ぐ日本で3番目に大きな島と言われる。全体の88%は山林で耕地面積の少ない島です。
平成16年3月、6町が合併し対馬市となりました。そのなかの1町である上県町は、対馬で2番目の面積で、壱岐4町より広いと言えば、対馬の面積がわかりやすいかと思います。昭和35年には7万人弱いた人口は過疎化が進み、平成26年12月末現在32,996人と減り続けています。

 

 

遠い昔、対馬は大陸とつながっていたことから、ツシマヤマネコを始め本土では見られない大陸系の動植物が今も残されています。山が多いことで以前のようには見られませんが、冬になればオジロワシやオオワシなども越冬し、2月~3月末までには、鹿児島県出水で越冬したツルも、北帰行の途中、一夜の休息のため田などに数百羽の群れで飛来します。

また、5月の野鳥の渡りには多くの野鳥が飛来し、秋には数万羽のアカハラダカの渡りも見られ自然豊かな島です。また、昔から大陸との交流もさかんに行われていたことから動植物だけでなく、貴重な文化財なども数多く残されています。

 

 

 

御嶽山

 

上県町の中央に、威風堂々とそびえる御嶽山。遠い昔から霊山として親しまれているます。標高490mと高さでは対馬で10番目で高い山とは言えないが、尾根は数キロも伸び、山としての風格は対馬一ではないでしょうか。尾根には、地元でイケンダン「池の段」とよばれる場所があり雨上がりは池も見られます。

この山を中心に、上対馬町三宇田から南は峰町までツシマヤマネコが生息しています。

 

危機に瀕するツシマヤマネコ

対馬には、野生のヤマネコであるツシマヤマネコが生息しています。数は少なく、とても警戒心の強い動物で、山仕事をする人達でさえめったに見かけることはありません。。
十万年ほど昔、対馬は朝鮮半島まで陸でつながっていたと言われ、その後、海面の上昇により高い地域だけがとり残され、対馬ができたと言われています。その頃から生息していたヤマネコが、1970年頃まで全島に生息していたが急速に減少し、今日では島の半分の面積にあたる下島では特に減少し、わずかな数しか生息してない状況です。
ツシマヤマネコは、1971年に国の天然記念物に指定されました。1994年3月に環境省から「絶滅の恐れのある野生動植物の種の保存に関する法律」に基づく保護対象種(希少種)の指定一号に認定され、さらに1998年にはレッドリストにおいて最も絶滅のおそれが高い種の一つ「絶滅危惧1A類(CR)」に指定されています。

ツシマヤマネコの特徴

ツシマヤマネコは胴長で短足、尾は太くて長く耳の裏にはトラなどに見られる虎耳状斑とよばれる白い斑紋があり、眉間から頭の裏へ白い縦縞があります。生まれたばかりの仔ネコでも一般のネコとはその違いがわかます。また、幼獣のころは普通のネコのように耳先がとがっていますが、成獣になるにつれ丸くなっています。啼き声も個体差はあるようですが、一般のネコに比べ声が濁っているように聞こえます(参考動画)。

また、ビデオカメラでも撮影していますが、給餌場所にミーと呼べばニャーと答える可愛い仔ネコがいました。イエネコと同じくらいの大きさで、頭胴長60~65センチ、尾長25~35センチぐらいですが、山村会長はもっと大きなヤマネコも見たことがあるそうです。

夜行性と言われますが、人の気配のない場所では昼も徘徊しています。餌は主にネズミ類を食べているのが糞からわかりますが、鳥、魚、ヘビ、植物なども食べます。また胃腸の調整のためと考えられますが、稲科の植物を丸飲みにしているのが糞から多く見られます。精悍でとても警戒心の強い動物です。

ヤマネコ

減少要因と考えられるもの

対馬は、耕地面積が少ないため、地域によっては以前殆どの山を尾根までも開墾し、麦、イモ、ソバなど穀物を栽培していました。このためヤマネコの餌となる小動物も多く、畑の岸にはカヤネズミの巣も多く見られました。コウライキジも昭和45年頃までは多く、島外から多くのハンターも来ていました。その頃から、日本の高度成長とともに耕作していた山の段畑は、人工林に変わっていきました。餌の影響か猟師による乱獲かわかりませんが、それまで多くいたコウライキジも減少し、本土から来ていたハンターも見かけなくなりました。耕作していた段畑だけでなく、広葉樹なども伐採され、国の補助などで山は人工林に変わりました。

このためヤマネコの餌となる小動物が少なくなり食物連鎖が起きたと考えられます。また道路などの開発で環境は大きく変わりました。島民は公共工事などで便利になりましたが、ツシマヤマネコにとっては生息が厳しくなったと考えられます。
道路事情もよくなり車事故も増えてきました。特に親離れする11月から、餌を上手に捕れない亜成獣の事故が多いようです。ヤマネコに限らず親と一緒にいる期間は大事に護られますが、親と別れた数ヶ月は生涯で一番厳しい試練の時期となるようです。

環境問題だけを減少の対象に考えていましたが、環境庁(当時)で人工繁殖用に平成8年12月捕獲した雄のヤマネコから、ネコエイズに感染している事がわかりました。その後も平成12年12月、鶏小屋に入り保護した雄にも感染しているのが確認されました。イエネコなど検査の結果、エイズ等に感染した個体が予想以上に多い事もわかり保護が益々難しくなっています。

 

■ ヤマネコ保護区
自然保護助成基金と日本ナショナル・トラスト協会の助成金(H22年度)により、新たに31,346㎡の保護区を取得。また、日本生態系協会がトラスト活動の一環で、6,577㎡を取得(住友信託銀行寄付金による)。保護区面積合計83,173㎡。

夏の保護区

夏の保護区

 

(財)日本生態系協会によるトラスト運動も加わって設置されたヤマネコ保護区の看板

(財)日本生態系協会によるトラスト運動も加わって設置されたヤマネコ保護区の看板

 

■ ヤマネコ保護区、寄付のお願い
守る会では、ヤマネコ保護区設置に向け、土地買い上げ費用を募っています。

■ 山村会長、ポストカード販売
山村会長が撮影したツシマヤマネコ等の写真ポストカード。売り上げはヤマネコ保護区の維持管理に使われます。